こんにちは。会田です。人は自分が見たいものしか見えない。という話を聞いたことがあるでしょうか?モノの見方や思考パターンの癖は誰にでもあります。
しかし、多くの人がそのこと自体を認識していません。つまり「自分の視点や思考には偏りがある」ということを自覚していないのです。認識していないのだから、理解すこともできませんし、自分の癖を直すこともできません。
そして、自分が見ているものが、すべてだと思い込んでしまうのです。本当は、まったく別のモノかも知れないのに….
今回は自分の視点や思考の偏りを矯正する4つの視点と、それをビジネスで活かす方法を説明します。
目次
1.鳥の目、虫の目、魚の目、コウモリの目とは?
人は無意識に過去の経験から視点や思考に癖があります。そして、癖自体をなおすことは難しく時間もかかります。そこで、4つの視点を使い物事を見ることをおすすめします。
自分の癖を自覚してうえで活用できれば、物事の輪郭が浮かび上がり本来の姿を捉えることができます。
1.鳥の目とは
全体を高い場所から見下ろす視点です。つまり「俯瞰」する視点のことです。鳥は上空から地上全体を見渡すことができ、どこに何がありどう進めばいいのかを一瞬で把握することができます。
では、俯瞰することにどんなメリットがあるのでしょうか。
・予測ができる
・正しい判断ができる
・最短で物事を進められる
・全体を把握できる
・点と点が線になり理解度が高まる…
逆に全体を把握することができなければどんな問題があるでしょうか?
・対処的な対応になってしまう
・目的を理解していないので判断ができない
・同じことを繰り返す可能性がある
・目の前のことしか考えられない
・物事の理解するのに時間がかかる
ビジネスでは、まずはじめに全体像を捉え戦略を立てる必要があります。自分の癖に陥らないためにも鳥の目(俯瞰)は必要不可欠な視点と言えます。
1-2.虫の目とは
物事を細かく分けより詳しくより深く掘り下げる視点です。鳥の目が全体を俯瞰して捉える視点であれば、虫の目は一部を深く知るという視点です。
では、深く知るとはどういうことなのか?物事は複数の要素から構成されています。つまり、それぞれの要素レベルまで分解して深く分析することなのです。
例えば、お客さんが集まらない。といえば一言で終わりますが。お客さんが集まらない要素を上げてみましょう。
・集客する仕組みがない
・競合が多くて差別化ができていない
・ターゲットを間違えている
・価格が高い
・サービスに価値を感じていない
ざっと上げただけでも5つほど出てきます。これらの要素をより深く調べていくと、サービス自体に価値を感じれていなとわかったとします。そこで、はじめて価値を見直す必要があると判断できるわけです。
1-3.魚の目とは
物事の流れを見る視点です。過去 → 現在 → 未来へと流れる時間の経過を捉えることが、魚の目です。
いま目の前で起こっていることは、数年後、数十年後にはどう変化しているか。過去の歴史から現在があり、いまの傾向からこれらから先、業界や世の中がどう変わるのかを時間軸で捉えることがビジネスには必要です。
もしこの視点が欠けているとどうなるでしょうか?
・事業開始のタイミングを見誤る
・業界や世の中のトレンドから外れる
・計画通りに物事をすすめるこができない
コロナ以降、良くも悪くも世の中は急激なスピードで変化を繰り返しています。鳥の目、虫の目があっても、魚の目という時間の経過を意識する視点がなければ、今後の世の中の変化のスピード付いていくことができず、時代に残されてしまうでしょう。ビジネスの世界で、スピードは何よりも重要な要素の1つです。
1-4.コウモリの目とは
コウモリは逆さまにぶら下がり通常とは逆の視点で物事を見ています。つまり、相手側の視点で物事を見たり・視点を変えることをさします。
常に自分は正しい。業界的にはこれが常識だ。誰もそんなこと言わない。などの凝り固まった視点や考え方を柔軟にすることが目的です。
もしコウモリの視点を持ち合わせていなければ、イノベーションは起きず新しいものも生み出せなくなってしまうでしょう。スティーブ・ジョブズもイーロン・マスクも、視点を変えて発想したからこそ、アップルやスペースXという革新的な企業を生み出せたのです。
2.自分の視点・思考の癖を知る
4つの視点をビジネスに活かすには、自分の思考の癖を知る必要があります。思考の癖を知る簡単な方法をお伝えします。
・口癖を知る
・選択した理由を知る
2-1.口癖を知る
普段使っている口癖を知ること、自分の思考の癖を発見できます。例えば、「~すべき」「~しなければいけない」「絶対に~」等の断定する言葉を使う傾向があれば、あなたは相手の立場になって考えることが苦手かもしれません。
2-2.選択した理由を知る
人は1日のうち9,000回選択をすると言われています。日常の判断材料がわかれば思考の癖を知ることができます。
例えば、大きなお金が動く決断を迫られた時、この場ですぐに判断せず後回しにしたとします。再度、決断を迫られた時、結局十分に検討せず過去にあった同じような内容と同じ選択をしたとします。これは、先延ばしにし結局十分な検討もしないという、思考の癖がついていると言えます。おそらく、これまでにも同じようなことがあったはずです。
普段何気なく使っている言葉や、日々選択に迫られる中で、自分の視点や思考の癖を知るには常に注意深く自分自身に関心を向けている必要がります。とは言え、常に注意することはほぼ不可能です。なので、1日の終りに自分がその日に発した言葉や、選択した理由を書き出してみてください。しばらく続けているうちに自分の癖がわかってくるはずです。
3.自分の視野を広げる
自分の癖がわかったら、次は癖を矯正しましょう。視野を広げるという言い方が正しいかもしれません。
自分の視野を広げるもっとも確実な方法は、多角的な視点を持っている人できるだけ多くの時間を過ごすことです。その人の考え方や行動を徹底的に真似することで自分の癖が矯正されます。
とは言え、なかなか難しいのも理解しています。そこで、もっとも簡単な方法を紹介します。誰でもできます。その方法は、自分よりも憧れている人の音声を聞きまくることです。移動時間、家事をしている時間、散歩している時間など、耳が空いている時は常にその人の音声を聞く。これを3ヵ月続けてみてください。
3ヵ月後、その人の考え方や判断方法が自然と口から出てくるようになります。そして、これまで自分の中で全く別のものだと思っていた物が同じモノだと理解できるようになります。つまり、点と点が線になり面となるイメージです。急に物事が理解できるようになります。
4.結論
人は目に見えるものが全てだと思い込んでいます。そして、見たいものしか見ようとしません。しかし、現実世界では自分が見ているものは、その物事のほんの一部なのです。
自分の思考の癖をしり、それを補うために鳥の目、虫の目、魚の目、コウモリの目の4つ視点を取り入れてください。これからの時代、物事の全体と本質を捉えることができる人間だけが、生き残ることができるのですから。